フィロソフィーのダンスのこぼれ話

こんばんわ。フィロソフィーのダンスのデータアーカイヴ担当こと宮野です。

 

改めまして「エクセルシオール」お聴きいただいている皆様ありがとうございます。

予告なしでしたが、ふとネタを思いついたのでブログ更新します。

今回はフィロソフィーのダンスにおけるトラックのいろんな別バージョンなどの小話を思い出しながら書いていこうかなと思います。ライブでもその日のためだけの特別バージョンが多く存在しているので、そういうこととか。

2015年

◆「Groove Is In The Heart」

初期の登場SEはこの曲でした。Deee-Liteですね。

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この曲ってハービー・ハンコックのサンプリングなんですね。(「Bringing Down The Byrds)

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2016年

◆「アイム・アフター・タイム」リミックス(7inch)

昨年の「ライブ・ライフ/イッツ・マイ・ターン」もパソコン音楽クラブさんにリミックスして頂きましたが、実は僕もセルフリミックスしてます。

リンドラムのパターン中心のちょっと80'sっぽい仕上げ。これって今手に入るのかな?

セルフリミックスって自分の前のアレンジのイメージも残ってて結構難しいんですけど。今やったらもっと違う感じにするかなあ。翌年の新宿BLAZEでのワンマンライブ、バッド・パラダイム~アイム・アフター・タイムのメドレーのところで一瞬このリミックスのワンフレーズが登場します。(こちらはサブスクとかでも聴けると思う)

 

◆「D.T.F!」

ギターがLi-sa Xさんバージョンと僕バージョンがある。ミックスとかもいろいろ違う。

 

◆「いつか大人になって」

アルバム収録とは別バージョンのアレンジが存在した。(発表はされていない)

 

◆「好感度あげたい!」

「Foo, Foo, Foo, Foo,」のコーラスは全部ハルちゃん(8本ぐらい録った)

現場で起こるコールは3発(ふっふっふー)ですがフレーズ的には4発なんです

 

◆アルバム「FUNKY BUT CHIC」のシークレットトラック

「アイドル・フィロソフィー」のリミックス。誰が担当したかシークレットだった記憶があるのですがこれってもう発表されたんだっけ。

 

◆「好きだから好き」

唯一スタジオ音源化されていない曲。

サウンドクラウドに上がっているのと、普段ライブでやる時のトラックはオリジナルバージョン(ショウさんアレンジ)ですが、原宿アストロホールでの1stワンマンだけ使用されたバージョンは僕のリアレンジ

 

2017年

◆SE「FUNKY BUT CHIC」

この年からこのSEに変更。冒頭の声の主は…?(ナイショです)

 

◆「コモンセンス・バスターズ」Move On Upイントロ

記憶に新しい品川ステラボールのライブ含め、何度かフィーチャーされていますが、

新宿BLAZEでの3rdワンマンが初出。これは当時のMg.初見さんアイデアだった記憶。

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めちゃくちゃ余談ですがこの3rdワンマンの週僕は扁桃炎でブッ倒れてました

 

◆「ジャスト・メモリーズ」

3rdワンマンでは松本ジュンさん。クアトロの4thワンマンでは藤原マヒトさんが、それぞれゲストで登場。ピアノを演奏して頂きました。

 

◆クアトロ4thワンマン

"4rd"ワンマンね。(わかる人にはわかるネタ)

後半セクションでは、今やおなじみのPer.早藤寿美子さん (a.k.a すみちゃん)が登場。

ここが初めてのライブでした。(いずれもライブ音源が残ってます)

 

この日初披露だった「ダンス・ファウンダー」がSEからノンストップのヴァージョン。

 

◆「ニュー・アタラクシア」

僕が作曲した曲はデモの時にDFPdemo_xx みたいな連番を振っているんですが

この曲は「オール・ウィー・ニード・イズ・ラブストーリー」の次に作られてました

(「オールウィー~」がDFPdemo03、この曲がDFPdemo04)

当時ツイッターにも書いたのですが、もともと夏に出したいつもりで作ったこの曲ですが、2016年には「告白はサマー」(demo05)が出てて、この年は「DTF!」を8月のTIFでお披露目していたので、2年越しで危うくお蔵入りになりかけました(出せてよかった)

 

2018年

◆NPPでのノンストップメドレー。

「アイドル・フィロソフィー」から「すききらいアンチノミー」のマッシュアップミックスなど。

 

◆「ときめきフィロソフィー」(転換映像)

夏のツアーでの転換映像。(「エクセルシオール」のDVDにも収録)

「告白はサマー」(日常パート1)

「オール・ウィー・ニード・イズ・ラブストーリー」(日常パート2)

「アイム・アフター・タイム」(シリアスパート)

パラドックスがたりない」(切ないパート、エンディング)

で、それぞれ、ゲーム音楽風のアレンジ。

 

◆「夏のクオリア

ikkubaruさんのリミックス。

 

◆同じく前述した「アイム・アフター・タイム」のパソコン音楽クラブさんリミックスも。

 

◆「イッツ・マイ・ターン」

MV冒頭の出撃シーンで流れているBGMが、よく聞くと「ダンス・ファウンダー」。

 

イントロのFXはオープニングSE「FUNKY BUT CHIC」のアウトロの逆再生と、

フィロソフィーのダンスの歴代曲のコーラストラックのフェードイン

(出てくる順に、「アイム・アフター・タイム」、「アイドル・フィロソフィー」、「エポケー・チャンス」「ラブ・バリエーション」「ダンス・ファウンダー」)

コーラスがめちゃくちゃ多かった。8割ぐらいあんぬちゃん(総勢20本くらいあるかも)、あとマリリちゃん

 

◆「ライブ・ライフ」

間奏の「ぱっしゅわー ぱーっぱっ」のコーラスがお気に入り(これは確かマリリちゃん)

 

「Hey! Hey!」は僕もうすーく混ざってます

 

◆「ラブ・バリエーション」

MV冒頭のテレビ番組風BGM。BEAT CLUBぽかったりぽくなかったり

 

「WITH SCOOBIE DO」のバージョンはタンバリン自分で振って生録しました

クラップもフィロのスメンバーと僕で生で録音している。

スクービーの皆さんが帰った後僕は居残りしてオルガンを録った(これも生)

 

◆「はじめまして未来」

品川ステラボールで披露されたバージョンのイントロがEW&Fの「September」

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(CD版もBメロよく聴くと「Let's Groove」っぽいシンセ)

 

◆「すききらいアンチノミー」ツアーVer

Twitterでちょっと触れましたが、「イッツ・マイ・ターン」合わせで「Love Foolosophy」イントロ。(地味に「Foolosophy」もフィロソフィーとかかっている)

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◆「ハッピー・エンディング」の「ラララ……」のコーラスはメンバー4人に加えて僕、ショウさん、加茂さんも参加。

 

という感じでございます。いろいろあったな。

 

次回は本当にツアー明けになると思います。最後までお読みいただきありがとうございました。

アルバム「エクセルシオール」作編曲家による解説 〜VISIONS OF 2018 編〜

いよいよ、日付変わって本日はアルバム「エクセルシオール」の発売日。

前回記事も多くの反響をいただき、ありがとうございました。

まだご覧になってない方も、この記事のついでにぜひ。

アルバム「EXCELSIOR」作編曲家による解説 - 宮野弦士のいまさらするまでもない音楽の話

 

本日、全作詞を担当したヤマモトショウさんの記事も公開されていますので是非お読みになってください。読み応えあります。

フィロソフィーのダンスエクセルシオール』作詞家による全曲解説|ヤマモトショウ |note(ノート

https://yamamotosho.com/n/n060b14b0483e

 

既に配信で聴いてくださった方も、我慢できずに今日フラゲしてきたみなさんも、今か今かと、今夜まさにわくわくしているアナタも。全ての人に本当に感謝したいです。楽しんでください。

 

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ミキシングとマスタリングって何が違うの?

こんばんは。昨日の記事への反応ありがとうございました。

昨日Twitterの質問箱で質問を受けつけたところ、アルバムマスターとは具体的に何が違うのか、という問い合わせがいくつかありました。

どうしても短い文では伝えきれないため、改めて自分の言葉で書いてみようかなと思った次第です。

 

とはいえ、あらゆるDTM系ブログやYouTube動画解説などで死ぬほどこすられた題材なので、もっと適切な説明はGoogle検索などをすれば容易に見つけられると思います。あくまで、僕の中の捉え方がどうであるか、ということがこの記事の趣旨になると思います

(まさに「いまさらするまでもない音楽の話」なので、ブログタイトル的には本当その通りですね)

 

さて、音楽の制作、ここでいう制作は「録音物」と定義しますが、実にさまざまな工程を通って出来ています。

 

みなさんがイメージするところの音楽の制作というのは、おそらくは

・メロディを作る。

・楽器、歌を録音する。

 

というところが、まあほとんどだと思うのですが

さらにいくつか、重要な工程があります。

 

その一つが、ラッキングです。

たとえば、みなさんは「多重録音」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、音楽制作における録音とは、必ずしも同時に演奏して「せーの」で録音してあるとは限りません。

また、同時に演奏されたものでも、たとえばカセットウォークマンやボイスメモのように、ボタンを押してハイおしまい、ということではないものてす。


具体的には、「トラック」や「チャンネル」と呼ばれるものがいくつも並んでいて、たとえば1番にはドラムの音。2番にはベースの音。3番にはギターの音……という形で、別々に録音がされています。

ビートルズの頃(1960年代)には、このトラックというのが4つ使えるテープレコーダーが普及して、それからは8,16……と増えていき。


カセットのようなテープにレコーディングするタイプのものでは、24トラック(チャンネル)というのが、一般的なもので、そのあと、デジタル(データ)に録音するものが開発されたときには、48つも使えるぞ、というのが主流になりました。

 

さて、当然ながら、いろんな楽器を重ねるには、闇雲に音を重ねていっては、あとで「あれ?ギターの2本目は何番に入っているんだ?」

「コーラスをたくさん重ねてたら、メインボーカルを入れるチャンネルがなくなってしまったよ!」

というような事態に陥ります。

 

それを防ぐために、何番に何を入れるかを決めて紙などに記載したり、時には4番と5番を混ぜたものを6番に入れて、空いた4番と5番にまた別の楽器を入れて……ということが行われました。これが、トラッキングです。


ですが、ここ20年くらいになって、コンピュータによる録音が手軽に出来るようになりました。

そんな今では、ハードディスクと性能の許す限り、何百チャンネルであろうと録音ができるし、画面上でトラックの名前をつけてしかもそれを並び替えたり、という事が簡単に出来るようになってしまったので、そういう困り事はほぼなくなりました。

 
とはいえ、このトラッキングと呼ばれる作業に近いことを、データを準備する段階で行わないと、これから紹介しますが、このあとの作業がとても大変になってしまいます。

 

それがミキシング(またはトラックダウン)と呼ばれる工程です。

すこし音楽に親しみがある方なら、この工程は知っている、という方もいるでしょう。

 

たとえば、料理を想像してみてください。あなたの前には、パン粉、細切れの肉、じゃがいも、卵が用意されています。

これをそのまま皿に並べても、おいしい食べ物にはなりませんね、これが牛肉コロッケの材料だとすれば、じゃがいもは似てすり潰さなければいけないし、卵とパン粉をつけて揚げないといけません。ちょっと強引な例えですが、この調理に近い作業がミキシングです。

 

すなわち、録音物をそのまま出しても、曲の持つ感情や情景を完全に表現することはむずかしいのです。

みなさんも、コンサートに行った事があったら、「きょうはボーカルが小さくて、なんだか聴こえなかったよ」とか「ベースが大きすぎて、曲に合わないな」とか感じた事があるかもしれません。

 

楽器どうしを良く聴くには、当然「バランスを取る」という作業が不可欠なのです。

音量バランスと同時に、例えば「ベースの低音を上げる」「ピアノの高音を下げる」といった、楽器そのものの質感を変える作業も時には行われます。

これは、前述した「トラック」が分かれているから出来ることなんですね。

 

本来はさらに細かい作業がありますが、それを説明するとそれだけで記事を一つ分は消費してしまいますので割愛します。

そうしてバランスをとった楽曲を、最終的にみなさんが聴くCD、すなわちステレオだったら左と右の合計2チャンネル。それに合成する作業がミキシング(トラックダウン)です。

 

さて、今回おそらく本題になる「マスタリング」という作業。

前述したミックスダウンが終わった状態の音源(2チャンネルに落とすので2mixなどと呼んだりします。)の、最終的に微調整をする工程です。

 これも料理に例えたかったのですがちょっと該当しそうな工程が思いつきませんでした、すみません。

 

あなたが木を削って彫刻を作ろうとしたとしましょう。

最後に、ヤスリで削って表面を滑らかにしたり、場合によっては色を塗ったりニスを塗ったりして、最終的に綺麗に見えるような仕上げを行うことかと思います。例えるとすれば、これが一番近いかなあと思います。

 

よくマスタリングについて「音圧(聴感上の音量)を上げる事でしょ?」という声を見かけたりしますが、僕は個人的にはそれはまったく違っていると思っています。

たしかに、一時期のCDにおける音量レベルはとても高く、それこそ一般的なアマチュアが容易に出来るようなものではありませんでした、それはなぜかというと、人間の耳の仕組み的には音量が大きいほうが迫力を感じるとされていて(ライブハウスで大きい音を聴いてたしかにそう感じると思いますが)

結果的に、ラジオやテレビで流れる時に、出来る限り大きい音で鳴るようにしたい、というプロモーションの事情があったのだろうと推測しています。

 

しかしながら、聴感上の音量を上げる(音圧「上げるというのは、実は非常にリスクの高い行為です。それはなぜかというと、音の大きい部分と小さい部分の差をなくす、すなわち、大きい部分を無理やり潰しているからです。

それは、音楽の持つアタック感や、情感的な音量の変化(ダイナミクスと言ったりします)を損ない、音を歪ませてしまうおそれもあります。

 そういった意味で、近年ではあまりそういうことを、しなくはなってきたはずです。

 

ちょっと導入部分で話が逸れてしまいましたが、ではマスタリングで何をするの?というと、

ひとつは、異なる再生機器で聴いた時の、ばらつきを少なくする。

みなさんの中には、こだわっていいスピーカーを鳴らしたり、高価なヘッドホンを買って使用している方もいるかもしれませんが、音楽を聴く人のほとんどが使用しているスピーカーはそうではないと思います。

 たとえば、テレビ。もしくは、ひと昔まえならラジカセ。今ではPC用の小型スピーカー、場合によってはMacbookのスピーカー。もっと言えば、iPhoneipadのスピーカーのほうが、よっぽど多いかもしれません。

 

そんな時に、スタジオの高級で巨大なスピーカー、もしくはプロ仕様の高価なヘッドホンで聴いて「完璧だ!」と思った音が、車やテレビで聴いた時に、全然違う印象になってしまっていては、困ります。当然ミックスの段階から、エンジニアやディレクターは、ラジカセや小型スピーカーで確認をしながら、音作りをします。しかし、最終的にはもっと細やかな確認や音質の調整が必要になってきます。


もう一つの要素としては、アルバムにせよシングルにせよラジオにせよ、一つの曲だけを聴くということが、あまりないと言うことです。
1曲目はものすごく低音が出ていて音量も大きい、けど2曲目は低音が少なく音量も小さい、3曲目になったら高域がとても強いけど音量が中ぐらい。そんな感じでは困ってしまいますね。

ミックスダウンの作業は、同じエンジニアが続けて担当することもなくは無いですが、当然必ずしもそうとは限りません。

場合によっては、2006年8月にミックスしたものと、1993年12月にミックスしたものと、2019年3月にミックスしたものが、同じCDに入ることすら考えられます。当然ですが、逆算してその相互の関係を考慮したミックスダウンを行うことなど不可能です。

 
そんなことがあるので、マスタリングでは、そういう、機材的な差異、あるいは連続的な音楽視聴体験を、ある程度均一化しコントロールする必要があるのです。

 

それから、ミックスダウンのあと、もう少し音楽的な味付けをしたいことも考えられます。

実際はもう少しボーカルがはっきり聴こえて欲しい。しかし、音量を揃えたらすこし小さく聴こえるようになってしまった……。そんな時に、当然バランスを変えることは不可能ですが、ボーカルが聴こえやすくなるような、調整をすることは可能です。そのためのシビアな技術をエンジニアたちはたくさん持っています。中音域を少し上げてみるのかもしれないし、低音を削るのかもしれない。もしくは、左右にある音だけを全体的に少し下げるかもしれない。

とにかく、「バランスが変わった」というほどのことは当然不可能ですが、聴感でそう感じさせるような処理はここでもすることができます。

結果、マジックのように「ドラムの迫力がより増した!」とか「ボーカルが鮮明に聴こえる……」といったことが、事実上可能なわけです。

要は、ミックスダウンもしくは録音で解決しきれなかった問題や不便を解決し、様々な状況で音楽を楽しめるようにする、ということですね。

 

よく洋楽なんかの再発盤で「リマスターってなんだよ。何が違うんだ?」と思う方もいらっしゃると思いますが、当然技術や機材は年々進歩していますから、1988年には音量も小さくあまりクリアでなかったものを、今の技術では気持ちよく聴けるようにできるしかもしれません。だから、リマスターというものが行われるわけです。

(しかしながら、前述した音圧を競っていた時代のリマスターは、単に音量を上げすぎてしまった結果、音が悪くなってしまった、ということも、無くはないのですが……。)

 

さて、そんなマスタリングにはもう一つの工程があります。それは「曲間を決めること」です。

 今では配信などの影響で、アルバムを曲順通り続けて聴くことは減ってしまったかもしれませんが、アルバムというのは当然曲順も考えられています。

 

たとえば、静かなバラードの美しい余韻に浸っている最中に、すぐ次の大盛り上がりな曲のイントロが流れてきてしまったら興醒めしてしまいますね。逆に、踊れる楽曲がせっかく続いているのに、次の曲まで3秒も4秒も空いてしまったら、がっかりしてしまいます。

ですから、気持ち良い視聴体験をするためには、「曲が終わった最後の瞬間」から「次の曲が始まる最初の瞬間」の間隔が、音楽的である必要があるのです。

これを、各曲の最終調整が終わった段階から、集中して考えます。具体的に、「試しに2秒……」といって、長く感じたら「1.5秒で聴いてみよう……」などと、一曲ずつ検証しています。


また、ライブ盤のように、曲番号は分けたいけど、音はぶつ切りにしたくない、ということもありますね。この場合は「ギャップレス」といって、データ上は曲番号が切り替わるけれど、曲間は繋がったまま、という処理もあります。

(対応していない機器では、読み込みのために0.1秒とか、空白ができてしまいますが)

 

最近はDJ文化もあるのでしょうか、iTunesSpotifyなんかでは、曲間をつけずにクロスフェードをして滑らかにつなげる機能もついています。ラジオ的にも聴けるし、便利なので僕もつい活用してしまいますが、こうした曲間の余韻を楽しむ感じでなくなっているのは少々寂しくもあります。

 そんなわけで、マスタリングというのはとても大切な工程で、かつ、僕もそこに立ち会うことは非常に楽しみでもあります。エンジニアのマジックを感じ、また最後の儀式のような側面も持っていますから、スタジオのやりとりの中で、いよいよこの作品が世の中に出て行くんだ、という気持ちにもさせてくれます。

 

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すみません、結局ものすごく長い記事になってしまいましたが、これが録音における各工程の違いとその内容です。出来る限り平易でシンプルな表現を心がけましたが、いかがでしたでしょうか?

 

みなさんも興味があったら、ぜひそんなことにも思いを馳せながら、音楽を聴いてみてくださいね。最後までお読みいただきありがとうございました。

 

アルバム「エクセルシオール」作編曲家による解説

皆さん、長らくお待たせしました。

 

今年もこの記事を書く時がやってきました。

1st、2ndアルバムについても過去記事で解説しているので、チェックしてみてください。

「FUNKY BUT CHIC」作編曲家による全曲解説 - 宮野弦士のいまさらするまでもない音楽の話

 フィロソフィーのダンス2nd Album「ザ・ファウンダー」、作編曲家による全曲解説、その① - 宮野弦士のいまさらするまでもない音楽の話

フィロソフィーのダンス2nd Album「ザ・ファウンダー」、作編曲家による全曲解説、その② - 宮野弦士のいまさらするまでもない音楽の話

 

この3rdアルバムはおそらくは、今までで一番バラエティに富んだアルバムではないかと思います。

全作詞担当のヤマモトショウさんの記事もぜひご覧ください。

フィロソフィーのダンスエクセルシオール

https://yamamotosho.com/n/n4487fcfee025


Youtubeにアップされたティザー映像もぜひお楽しみください。

www.youtube.com

音源は下記にて視聴、もしくは購入ができます。

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2018年総まとめ

心身ともに力を尽くしてきた、品川ステラボールでのバンドセットワンマン、そしてそこからスタートしたツアーの名阪公演も終わり、ようやくつかの間の安らぎを手に入れ、思ったよりも早くブログを更新する時間を作ることもできています。

まずは、ライヴにお越しいただいたみなさん、ありがとうございました。

 

さて、2018年もいよいよ佳境にせまり、また個人的にも産まれてから今までずっと過ごしてきた平成という時代も終わるということで、改めてその一年の振り返りをしてみようと思います。

具体的には、自分が携わってきた楽曲について、その制作のときの話など。

 

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0616回顧録 その2

書かねば書かねば、と思いつつ、あれこれ追われているうちに、タイミングも逃してしまって、半年近く過ぎてしまった。非常に申し訳ないです。気がつけば次のワンマンまで一ヶ月。

ライブ映像もyoutubeにて先行公開され、12月初頭にはDVDの発売も無事決定したということで、このタイミングでなんとか下書きに少しずつ書き進めてたものを書き終えるぞという意気込みです。

 

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こんなライブでした。

 

一つのライブにも、音源のレコーディングにも、それが店頭に並ぶにも、本当に多くの人が関わっている。

ソフト化されたものであれば、それは「クレジット」という形で見ることができるのだけれど、

今や音源の販売も配信とストリーミングが中心となっている時代では、それすら怪しくなってきた。ようやくSpotifyは作曲者と作詞者だけは、見れるようになったけれど。

ことライブに至っては、ソフト化の予定がなければほぼ知ることはできない。
(関わる人が多いぶん、そもそも載せてほしくない、という方ももしかしているのかもしれないし、全員がそういう目線で仕事をしているわけでないこともあるのかもしれない)


この「クレジット」というページは、実に物作りにあたっては非常に大切な項目で、
(お手持ちのCDがあったら、だいたい最後のページに載っているのでぜひ見てほしい)

できれば絶やしたくない、僕も見える形でそれを書き記したい、というのが今回のブログの主な内容になる。

(と、夏の時点で書いてたのけれど、来月のDVDにはしっかりクレジットが入ります)

 

ライブの話題の続きになるので、まずはライブのことについて。

ライブは、もちろんただ歌って(あるいは演奏をして)成立するわけではなくて、
ある程度一般的にも知られるところでいえばたとえば照明(ライティング)、音響(PA)などといった、実際のパフォーマンスに大きく影響してくる役割がある。

もちろん日頃ライブハウスで行われているライブも同様で、いわゆるホールスタッフと呼ばれるような、ライブハウスに勤務する形でそれらを担当する方々が必ず存在するのだが、

だいたい、ワンマンなどの規模になってくると、それらもバンドやグループに対応して担当するスタッフが必要になってくる。

演出部分をどう見せたいか、楽曲をどう聴かせたいかなどを打ち合わせしながら、一緒にライブを作っていくことになる。

 

PA担当、中野さん。

エンジニアとしてもお世話になっていて、今回のライブ・ミックスも担当していただいたり、楽曲のレコーディングでもお世話になっている。

中野さんもまた非常にミュージック・ラバーで、トラックのバランスだったり、楽曲のアプローチだったり、「ここがおいしい!」というツボをいつも理解してくれていて、僕の悩みどころも中野さんに相談すると一発で解決するので心強い。

 

照明担当、上田さん。

とにかく情熱を持って向き合ってくださるのと、楽曲やグループに対しても本当に愛があるのが伝わってくるので、打ち合わせも本当に話が早いというか、なんというか。
「ここだ!」というところに照明がバシっと入るとライブの締まり方が全然変わるんです。

そして、ステージには、パフォーマンスをする上で必要不可欠な存在、表からは見えない位置にいるのが、マニピュレーター、モニターマンといった存在だ

簡単に言うと、シーケンスデータの操作をしたり、ステージ内部の演奏環境を整える役割にあたる。

 

マニピュレーター、岡野さん。

岡野さんもまたエンジニアとして、レコーディングでもお世話になったり、僕にとっては、酒の師匠(?)だったりする(たいてい、岡野さんに飲みに連れていってもらうとエラいことになるが)

ライブにおいては曲間調整なども重要になっていくので、本当にギリギリまで作業にあたってくれるのが、岡野さんという存在だったりする。(まだデータできてません〜涙 って僕が泣きつくこともしばしば)

 

モニター担当、高橋さん。

PAとして普段からライブの現場を支えてくれる高橋さん。モニターというのは繊細で演奏においては非常に影響が大きい、常に先回り先回りで対応してくれる高橋さんのおかげで僕も不安なく演奏にあたれた。

 

ステージ担当はさらに、ステージマネージャーという役割もある。(テックという呼び名の時もある)

 機材トラブルが起きたり、楽器の持ち替えが必要な時なんかにもすぐ対応してくれる、非常に頼もしい存在である。
カミテ、僕と砂山さんの側には内藤さん、シモテにはこの日誕生日だった若狭さん。

 

そしてライブの根幹にあたる演出のすり合わせや進行を務めるのは舞台監督の丸山さん、そしてそれらをまとめるライブ制作スタッフの柁原さん、岡林さん。

 

この日は撮影が入っていたので、映像クルーの皆さん。スチールカメラマンの皆さん。

物販スタッフの皆さん。物販スタッフといいつつ、実はみんな何らかのクリエイティブに関わっているので、ドキュメント撮影にもあたっていたり、ジャケットのアートワークやデザインに関わっていたりもする(MVやCDにもそれぞれクレジットされているぞ)


ライブにおけるスタイリングやメイクさんの力もある。
特にこの日は新衣装の初披露だったので、かなり細かく衣装のすり合わせがあったり
(あと、スタイリング担当している北谷さんはMVだったりトータルのクリエイティブでも活躍しているので、そういうライブ上の見せ方の打ち合わせもあったり)

「ダンス・ファウンダー」「イッツ・マイ・ターン」で北谷さんとのコンビでディレクターを努めている杉山さんもこの日はカメラクルーに。

という感じで本当に多くの方がグループのためにチームとなって日々を作り上げていたりするわけであります。
(もうすでに2000文字は軽くオーバーしているんだけどこれでも全然記述が足りないね)

もちろん、ライブハウスのスタッフの皆さんも。


改めて、深い感謝。

来月からスタートするツアーでも、こうして、あるいはもっと多くの皆さんの力をお借りして、一日が作り上げられていくことでしょう。

楽しみです。

 

それから改めて、このDVDのために出資をしてくださったファンの皆様の情熱と厚意に感謝します。

それに応えて熱量のある映像作品に仕上げてくださったウスイ監督と映像チームの皆さんにも、感謝。


ほんとはライブレポみたいなことを書くべきなんでしょうけど、前回の記事に書いたとおりで本当に当日のことってあまりに早すぎて記憶がなくて。

僕も一緒にDVDを見て思い出そうと思います。

 

あと、ブログ本当に更新しなさすぎてすっかり抜けてしまっているんですけど

この半年間。シングル発売(チャートインもさせてもらった)、キネマ倶楽部でのSCOOBIE DOさんとの2マン、とか、いろいろ、本当に、毎日感謝しなきゃいけないことが多すぎて。全部記事にしてないのが本当に申し訳ないような感じなんですけど、この結びをもって代えさせてください。

そして来月、ステラボールの前にはもう1枚シングルが。
この話はまた発売するころに出来たら、良いかな…。

大切な作品に仕上がったと思っています。改めて、それが実現できたことにも、感謝を。

 

 

0616回顧録 その1

バンドセット。

 


いうまでもなく、諸刃の剣である。

打ち込み技術の発達し、アレンジの音数が増えた現代において、すでに生演奏で表現できる厚みには限界がある。

 


実際、いくつものバンドセットを見させて頂き、自分なりにどうするべきか考えるうえで、そこのジレンマは非常に大きかった。

 


かといって、シーケンスは麻薬だ。

走らせてしまえば、いくらでも走らせられる。

そこで今回ぼくは、あくまでも生演奏のグルーヴに主軸をおくべく、鍵盤楽器鍵盤楽器として演奏する、ホーンやストリングスなど、一見シンセサイザーで演奏可能なものでも、シーケンスで鳴らす。という、決断をくだした。そこからの迷いは、ほとんどなかった。

 


ここまでは前置き。

 


ぼくはバンドセットを迎えるまで、なみなみならない不安があった。

きちんと自分の意図はつたわるだろうか?

ただシーケンスの再現だけでは、意味がなくなってしまうだろうか?

ましてや、自分が任されているのはバンマスだ。

全員が一回り以上も離れた先輩という状況で、である。

 


でも、そんな悩みを、今回参加してくれたメンバーの皆さんが、すぐに払拭してくれた。

 


ドラムス、城戸紘志さん。

本当に細部に至るまで、ぼくのアレンジの意図を汲んでくれ、ときには僕の作ってきたフィル・インを完璧に再現してくれたりもした。

そのプロ意識と情熱に、本当に脱帽した。

 


もちろん、当然それだけではなくて、演出上のさまざまなアイデアを本当にギリギリまで提案してくれたり、ときに自分の頭の中で鳴っていたものをはるか上回るアグレッシブさで、アンサンブルに立体感を生み出してくれた。

 


パーカッション、早藤寿美子さん。

前回のクアトロワンマンからの引き続き参加で、なんといってもその安心感があった、

前回も今回も、表現の意図を即座に汲み取り、なにより、常に愛を持って取り組んでくれた。楽曲に華を添えるというパーカッションの役割的にも、そんな早藤さんの華々しさはぴったりだ。

 


ベース、砂山淳一さん。

 


ベースという楽器はなかなか絶妙なもので、

グルーヴを支えるリズム楽器としての側面と、コードを支えるハーモニー楽器としての側面とどちらも持ち合わせている。

 


そして、僕にとっては、さまざまな精神的な部分を支える、という部分で、砂山さんの存在があった。

立ち位置的にちょうど隣どうしだったこともあり、不安になったら僕は砂山さんのほうを見るようにしていた。

 


ギター、朝井泰生さん。

 


朝井さんはキッズだ。

僕もこんなに音楽にワクワクしたことがあっただろうか、というくらい、楽しんで演奏している様子がとても心強く、また、空き時間もずっとギターのフレーズを反復しているストイックさもある。

「こうしたらもっとカッコよくなると思うんだ!」など、常にマイナスからゼロの考え方でなく、1を10に、10を100に、という前向きさで場の空気を和らげてくれた。

 


キーボード、福田裕彦さん。

最年長にして、ものすごく無邪気な一面も持ち合わせている福田さんだが、僕の用意した譜面の間違いを即座に確認してくれたり、細部に対する意識には、ただただ感服するばかりだった。

 


「ジャスト・メモリーズ」をリハーサルで福田さんが演奏している様子を見て、その場にいた全員の空気がかわった。

休憩中の出来事だったにもかかわらず、全員から拍手が起こったのだ。

 


僕はそれを見て、曲の始まりをピアノと歌のデュオにしよう、と決めたのだった。

 


これだけのメンバーに支えられて、バンドセットを迎えることになった。

 


今回、もう一つのねらいがあった。それはフィロソフィーのダンスの4人に対して、課題を設けること。

 


一つは、「ラブ・バリエーション」の中盤での、ボーカルとギターの掛け合い。 

朝井さんにそのことを相談すると、ありがたいことに快く引き受けてくれた、

僕はハルちゃんに「絶対カッコ良くなるから、逃げずにやろう」と、

そして朝井さんには、「手加減をせずにお願いします」と伝えた。

 


もう一つは先述した、ジャスト・メモリーズである。

福田さんのピアノは本当に素晴らしかった、このタイムやダイナミクスを、4人には感じて欲しかったのだ。

 


そしてなにより、今回は新曲が2曲あった、それもおそらくひとつの、挑戦であった。

 


「イッツ・マイ・ターン」は、かなりギリギリにできた。

「どうしてもこの曲を1曲めに持っていきたい」という相談をしたところ、バンドのみなさんも、スタッフも、全員が、乗ってくれた。

この曲があるとないとでは、ライブの印象もかなり変わっていたかもしれない。

 


リハーサルは、少なくとも僕が思う限りでは、順調に進んだ。最終ゲネのころには、不安感よりも、はやくライブをしたいという気持ちのほうが上回っていた。

 

 

 

ただ、当日のことは、正直あまり覚えていない。

かわりに、関わってくださったスタッフの皆さんのことをひとりひとり紹介したいのだが、それはまた次に持ち越すとしよう。

 


ブログ更新はかなり久々になってしまった。書くことが無いわけではないのだけど、単純にタイミングを逃していたので、この機会でひとつ記事を書けてよかった。

 


ひとまず、当日お越し下さった皆様、クラウドファンディングに出資してくれた皆様、スタッフの皆様、バンドメンバーの皆様、そしてメンバーには、改めて心より感謝を申し上げ、これをこの記事の結びにしたいと思う。